欧米では室温20℃が健康的な温度とされていて、またWHO(世界保健機構)が2018年に公表した住まいと健康に関するガイドラインでは、「冬季の最低室温は18℃以上にするのがのぞましい」とされていることを、以前のブログでご紹介いたしました。
では、健康的な室温を実現するには、どのくらいの断熱性能が必要なのでしょうか?
【日本の断熱基準】
1999年以来最高等級だった等級4(Ua=0.87、Q=2.7)の上位等級が昨年ようやく誕生しました。
断熱等級5はZEHで求められる外皮性能とされ、2030年に義務化予定とされているとおり、これからの最低基準という位置づけです。
2022年10月には、その上位に断熱等級6、7が新設され「目指すべき高性能住宅のスタンダード」と位置付けられています。
現在、断熱気密の良心的なインフルエンサーや先生方はHEAT20G2クラス(断熱等級6)以上のスペックを推奨されています。
その理由は冬の最低体感温度が概ね13℃を下まわらない性能だからです。
HEAT20の判定基準の一つに、「暖房期の最低室温」があります。
G1(≒断熱等級5)だと、10℃を下まわらないというレベルで、これは非暖房室の表面結露の防止、すなわち住まいの健康を主目的にしているものです。
G2(≒断熱等級6)はおおむね13℃、G3はおおむね15℃以上を確保することとしており、これらは室内の温度むらを小さくし、住まい手の暮らしやすさの向上や温度ストレスを考え設定しています。
つまりG2の性能があると、一番寒いとき寝る前に暖房を切った際、家の中で一番寒いところが最低で13℃、大体15℃以上を保つことができ、ヒートショック減少や健康被害を最低限保てる状態といえます。
よって、インフルエンサーの方々はHEAT20G2クラスを推奨しているわけです。
現在工事中の牟岐の家は断熱等級6をクリアしています。
1月に完成予定ですので、HEAT20G2の断熱性能を体感することができます。